「働き方改革」出前講座---2回にわたり実施

 

 広島県主催の、県内にある中小企業等に向けた「働き方改革」出前講座を、10月24日11月28日の2回に分けて受けました。回目は中堅社員以上が参加し、「働き方改革の理解と実践」を学んだ。内容は、

①ワークライフバランスから「働き方改革」へ

②取り組みテーマとマネジメント

③実戦アイデア・事例

④課題の洗い出し、トライアル検討

 

「働き方改革」と言うと、企業・法人が努力して職員に働きやすい職場を提供する、というイメージであったが、今回の研修を受け、国が実現しようとしている「働き方改革」に至るまでの社会の変化や制度の移り変わりがよく理解できた。そして、「働き方改革」というのは、与えられるばかりではなく、職員自体もその改革に参加し、みんなで取り組むことによって実現するものだ、ということがわかった。

少子高齢社会になり、労働力の確保は大きな課題となっており、医療・福祉業界でも人材確保は大きな課題である。アンダンテでも、育児休業や介護休業、有給休暇の取得促進など制度の導入をすでに進めており、人材が定着してきている。しかし、働きやすい職場にするための制度を導入するには、少なからずコストがかかる。その原資を生むために、職員も「働き方改革」に参加し、労使お互いが支え合う「Win-Win」の関係を作る必要がある。

福祉の現場で「生産力」を上げていくのは容易ではないが、支援の質向上や仕事の効率化を図ることで貢献できる。

グループワークは各部署に分かれて行った。我々のグループ(リズムJOY)では、それぞれが考えている課題はほぼ共通しており、次の4つの項目にまとめた。①利用者支援②スキルアップ③業務改善④コミュニケーション。ひとつずつスモールステップでクリアしていきたい。

 

 2回目はリーダー社員以上が参加し、「取組みの方向性と実践手順」を学んだ。内容は、

①働き方改革のステップ

②自社の課題、取組みの方向性

③取組み実践事例

④働き方改革のPDCAサイクル

 

 働き方改革のステップとして、(ステップ1)コンプライアンスの徹底、(ステップ2)既存業務の効率化、(ステップ3)イノベーションの創出、があるが、ステップ3まで取り組めている企業は少ない。だが、ステップ3に取り組めてこそ働き方改革と言える。

報酬の中には金銭的報酬と非金銭的報酬があり、金銭的報酬は給与、非金銭的報酬は「働きやすさ」と「働きがい」に分けられる。

「働きやすさ」は、従業員の不満につながる要因を解消する(弱みを見つけ引き上げる)。「働きがい」は、従業員に満足を与える要因を生み出す(強みを見い出し伸ばす)。これからの働き方改革には、基本的な「働きやすさ」を確保した上で「働きがい」を高める、ことが求められる。

 グループワークでは、自社の「働きやすさ」と「働きがい」について話し合った。

現状、私自身働きやすい職場であると思う。大きな不満は無い。

「働きがい」については、「利用者の満足度を高める」ことに焦点を絞って、各部署での課題と対策について案を出しまとめた。

現在リズムJOYでは役割分担はでき、業務はまわっているが、今後はスタッフ個々がどう成長していくかが課題である。

 今回考えた課題を実践していき、各々がレベルアップし自ら考えて動く「小さなプロフェッショナル人材」として成長できるような職場を作っていきたい。

 今回の働き方改革研修は、従来私が持っていた働き方改革のイメージを覆すものであった。

「働きやすさ」、「働きがい」というと、今まではどちらかと言えば会社、企業から与えられるもの、とのイメージが強かったが、今回の研修を通して、そこに自分が関われる、従業者が関われる、むしろ関わらなければならない、という新しい発見があった。

働き方改革を皆が自分事として取り組めば、より良いものが生まれ、より良い職場になっていく。

 「障がい者の働くを支援する」ことが、我々アンダンテ職員の「働く」。アンダンテの「働き方改革」は、法人、職員だけでなく、利用者にとってもプラスになり、良い相乗効果が生まれるのではないかと思う。