施設内研修「色素性乾皮症(XP)について」開催!

2023年3月4日、今回は、生活介護フロールに通所されている利用者様のお父様を講師としてお招きし、色素性乾皮症(XP)についての講演をしていただきました。色素性乾皮症(XP)とは、日光に過敏に反応してしまうために、皮膚の乾燥やたくさんのしみの発生、そして皮膚がんのリスクが通常の数千倍多く生じる疾患です。私たちに心地の良い日光が脅威となるのです。また、多くの場合、筋力低下等の神経症状を伴います。難病に指定されており、有効な治療法は未だ見つかっていません。「この疾患がわかった時、『一生家の中でこの子をみなければ』と思った」とお父様は話されました。それでも、様々な機関に掛け合われ続け、外へ出る生活が送れるようになったとのことでした。講演の中で、利用者様の幼少期のVTRを拝見しました。防護具を着用しての通園。まわりのお友達が太陽の下で元気に遊んでいる中、室内ではUVカットフィルムの貼られた窓越しに、「外に出たい」「外で遊びたい」と号泣する利用者様の姿がありました。現在に至るまで、利用者様、ご家族の皆様には、私たちの知らない、計り知れない苦悩が数えきれないほどあったと思います。そして現在もこの疾患と闘い、向き合われ続けています。もちろん、現在フロールへも防護具を身に着けて通所されています。施設の窓にはUVカットフィルムが貼られています。利用者様はフロールで、ご家族のこと、好きな車や音楽、ギターのことを楽しそうに話してくださいます。抱えている思いや希望は、私たちに話してくださる以上にまだまだたくさんあるのだと思います。その思いにしっかりと寄り添える支援者であり、利用者様が安心して安全に通所できる施設であり続けたいと強く思いました。サプライズで、お父様が利用者様のために中西圭三さんが作詞作曲された「一羽のフクロウ」の歌を歌って下さいました。ギターの音色が素敵で、又、歌詞が考えさせられる内容であり、涙がこみ上げてきました。この疾患が世の中にもっと認知され、一日でも早く治療法が見つかることを願います。